六 場


年寄りはこうやって外に出とりゃあ、家のモンは機嫌がええんじゃ。

それになあ、金は出しても口は出さんほうがええんよ!

金を出すなら、口も出さにゃ〜な〜

そうじゃ〜♪ そうじゃ〜♪ ほな、行きまっせ〜

 ♪年とるのはあたりまえ 年をとるのは生きてる証拠
   苦労は山ほどあるけれど 今日だけ生きてりゃ明日が来る
   今日が一番 今日が一番 一番若い


景山さん! 何かありましたか?

ありました! あ、あ、青いポスト! 

ついに見つかりましたか! 景山さんが探しとったポスト!

ほぅ〜ほんまにあったんですねぇ。



未来 「おじいちゃーーん」



未来  「おじいちゃん。心配したよ。

一郎  「 加津子・・

未来  「おじいちゃん・・。もう!未来だよ。おじいちゃんの孫の未来。」


一郎  「青いポストを知らんか。」

未来  「青いポスト?」

一郎  「返事を書いて送るんじゃ。
     テレビの人が言うとった。
     近頃は遠くの人にもすぐに手紙が飛んでいく、
    えーもんがある言うとった。」




未来  「ふーん・・ねえ、その手紙、誰からの手紙?」

一郎  「押入れの奥でみつけたんじゃ。
      ばあさんが、ワシに書いてくれとった。
      ワシの宝物なんじゃ。」
加津子 

  「一郎さんへ」
 あなたと結婚してもう五十年。私たち、金婚式を迎えたんですね。
 長いようで、あっという間の五十年でした。
 色々なことがありましたね。
    そう、明が生きていれば、今頃はどうしているかしら。
    私の中の明は、三つのままの姿で止まっているけれど・・・



  ♪ありがとう ありがとう あなた 私は幸せです
   一緒に泣いて笑って 過ごした今日までの日々
    明日からもまた あなたと二人 残された人生を
    いたわりあい 共に生きていきましょう
  こうして、あなたに手紙を書くのは初めてだけど、渡せるかしら。
  少し恥ずかしくなってきました。           加津子


一郎  「加津子・・辛いばかりでなかったか?
          幸せだったと言ってくれるのか。
        加津子・・ありがとう。ありがとう。」

未来  「おじいちゃん・・青いポスト・・ほら、ここにあるよ。
      おじいちゃんの青いポストでおばあちゃんに伝えよう! 
      おばあちゃんにありがとうって伝えたいんだよね!」



   ♪伝えきれない想いを ありがとうの言葉にして
    遠い空の彼方へ 風にのせて届けよう
      ありがとう(ありがとう) ありがとう(ありがとう)
      君がくれたぬくもり
    ありがとう(ありがとう) ありがとう
    きっと届くよ  信じて





遠くから「お父さんー未来―」と呼ぶ英治と晶子の声

未来  「帰ろう、おじいちゃん。」