七場



カゴ屋 「エイッホー、エイッホー よーし、ここで一休みだ!
     それにしてもさっきの客は重かったなぁ。 まいったまいった。」




フユ 「『虹架山を笑って登れば虹がかかる』って言い伝え、知ってるかい?」

カゴ屋 「いや、聞いたことねーなぁ。」

フユ 「当たり前だ、さっきワシが作った。







(ハルがフユに握り飯を持って出て来る)

フユ 「虹が出た。 ワシは行く。」

ハル 「行くって、どこに?」

フユ 「姥捨てじゃ。 すまんが峠の上まで乗せて行ってもらえるか。

(カゴに乗り込む)

ハル 「おっかさん! 何でそんな勝手なこと!
       おっかさんがおらんようになったら誰がアンコ作るんよ!」

フユ 「教えとる」

ハル 「 『秘伝の味じゃ!』 言うて教えてくれんかったじゃないか!」

フユ 「教えた」

ハル 「聞いてない」

フユ 「ゆーた」





カゴ屋 「おい!どーした? 茂平次郎。
      何? 腹の具合が悪いって?そりゃてーへんだ!
     (ハルに) すまんが厠を貸してやっておくんな。
      昼に食った豆腐の味噌汁。ちょいと酸っぱかったからなぁ・・・。
      我慢できるか?」